八女の歴史は伝統工芸品とともに歩んできた歴史でもあります。
仏壇や提灯は江戸時代から、手すき和紙は400年以上前から、
石灯籠の八女石工としての歴史は古墳時代の「石人・石馬」までさかのぼることもできます。
昔ながらの町並みのなかで、磨き上げられた職人の技が今も息づいています。
文政4年(1821)に仏壇づくりが始まりました。漆塗りと金箔を施した格調高い仏壇は、伝統技法が光ります。
今は金具の技術を使ったアクセサリーや、蒔絵の技術を使ったインテリア商品なども作られています。
八女手すき和紙を使い、花鳥や山水などを描いた涼み提灯として名声を博しました。大正時代以降は優雅で気品溢れる八女提灯独特の盆提灯が主流となっています。
提灯バッグなど伝統技術を活かした新しい商品開発も進められています。
八女地方特有の長い繊維を持った楮を用いるために、強靭で優美な和紙が出来ることで、八女の和紙は版画家の棟方志功をはじめ、多くの芸術家に愛されました。
八女手すき和紙は、一閑張から、障子紙など様々な用途に使え、特殊な加工をすればバッグにもできます。
熱さや寒さに強く、石苔がつきやすく、軟らかくて趣のある造形が可能という長所があります。その軟らかな石質と匠の技が創り出す造形には気品さえ漂います。
八女福島の白壁の町並みには、阿蘇凝灰岩で作られた恵比寿様やお地蔵様が至るところに祀られています。
昔から子どものおもちゃとして親しまれてきたこま。「福が回る」「金回りがよくなる」ともいい、縁起物としても人気があります。
八女にひな人形は「箱びな」が有名ですが、五月人形・破魔矢・羽子板など節句人形も作られています。
水車の動力を活かして作られる杉粉を使ったお線香は、自然な香りが人気です。
八女は良質な竹の産地で、それを使って丈夫で長持ちする竹細工を作ることで知られています。お茶摘みで使うテボ(カゴ)も作られ、生活のなかで息づいています。
地元産の木材から生み出される伝統の手づくり桶は、修理を繰り返しながら20~30年もの長い間、大切に使われます。
機械で織られる久留米絣は、濃紺だけではなく赤や黄・緑色などの様々な色合いのものがあります。
弓道の矢として全国の弓道家に愛用されています。矢飛びの良さと美しさは全国的にも有名です。
江戸時代に久留米藩の御用窯として隆盛した星野焼。現在では星野を代表する美術工芸として高く評価されています。
陶工渕之上伸一氏は杣の里に灯った御前窯の火を育てていく覚悟の新進気鋭の陶工です。
男ノ子焼は約400年前、柳河藩主立花宗茂が朝鮮半島より連れ帰った陶工によって始められ、以後80年間、柳河藩主の御用窯として栄えました。
八女福島仏壇「宮殿造り」部門
八女福島仏壇の「宮殿」や「彫刻」の工程、八女手すき和紙、八女竹細工などの製造過程を見ていただける実演コーナーを設けております。
併設の八女手すき和紙資料館で和紙職人の指導のもと、実際の道具を使って、本格的な手すき和紙体験ができます。
パンフレット「職人と工房」でもっと詳しく