小さな独楽につまった
伝統と情熱

「よし、勝負！」
コンクリートの地面に向けて、思い切り手首にスナップをきかせ独楽を投げる。――――
腕に覚えがある、昭和の子どもたち（今、令和の大人たち）が、久しぶりの独楽に童心にかえり見せてくれる素敵なたくさんの笑顔。

これまで何度も開催してきた本プログラムは、あの笑顔が見たいがため、と言っても過言ではありません。
毎回、最後に自分たちで作った独楽で、「けんか独楽」をして遊ぶのですが、最高に贅沢な遊び方だと感じます。

教えてくださるのは郷土独楽「八女和ごま」を唯一製造している「独楽工房 隈本木工所」の6代目、隈本知伸さんです。
「隈本木工所」といえば、安心安全な木のおもちゃでたくさんの人気商品をもつ工房ですが、木のおもちゃづくりを始めるそもそものきっかけとなったのは、 年々、遊ぶ人が減少している「独楽」と「子どもたちが独楽で遊ぶ文化」を守り、受け継いでいきたいとの想いから。そうした願いを込めて独楽づくりの技術を生かした商品づくりを行っているのだそう。
隈本さんの情熱は、独楽はもちろんのこと、木のおもちゃひとつひとつのデザインや何度もヤスリをかけた滑らかな肌触りにも感じ取ることができます。

一連の作業を体験し、がんばって作った後は独楽の紐かけや投げ方のレクチャー。色とりどりの独楽で最後はけんか独楽をして遊びましょう。